江戸時代から300年、変わらないこと【#01】
2019/08/23 12:30
2019/10/04 17:12
プレゼンやスピーチなどのビジネスシーンで英語を使う際、ユーモアやアナロジー(例え)は重要な部分です。論理的で堅いプレゼンテーションに少しことわざを交えることで、やわらかい表現になり、またデリバーするメッセージを相手の印象に残すこともできます。
英語学習者は、プレゼンやスピーチでどうしても文法や発音、そしてスピーキングなどに目がいきがちですがことわざを交えることでレベルを上げていきましょう。
Koji Masaoka
東京大学理工学部卒。卒業後は大手企業の北米拠点で活動。 情報応用学、統計学まで幅広いジャンルのグローバル業務経験をもつ。
趣味:散歩・テニス。
黙読するだけではいざというときにスピーキングで使えません。最低10回は音読、シャドウイングして、実際の会議などで使っているシーンをよくイメージして下さい。少しずつ定着していくことでしょう。本シリーズではプレゼンやスピーチなどのビジネスシーンで使えることわざ・慣用句を厳選して紹介してします。自分のお気に入りのフレーズを使ってみて下さい。
「人や物事を外見だけで判断してはいけない。」とよく言われます。しかし、出会いにおいて人は、パッとみた印象で「この人は気難しそうだな」「この人はあまり気があわないな」など判断してしまうことがよくあります。
国際的なビジネスシーンとなるといろいろな国の初めての人と多く出会っていきます。海外の人との出会いにおいては、その人自身の見た目や第一印象に加えて、「アメリカ人って」「ヨーロッパの人って」「中国の人って」「アフリカの人って」…のようにそれぞれの民族や属性への無意識のイメージ、先入観が先に立つことも多いです。
それは、時に人との本当の出会い、本当の相互理解を妨げます。それでは本当にいいビジネスは生まれせんし、本当の関係性は築けません。
もちろん、ビジネスの中身についても同様のことが言えますね。一見良さげなプロジェクト、体裁が整っている企画書、きれいにまとまったプレゼンテーション…一見やイメージに惑わされずにじっくり内容を理解して知ることが必要です。
自分自身やチームへの戒めに、またビジネスへの心がけを確かめる上で使うことのできることわざです。
英語で直訳すると「本をその表紙で判断してはいけない。」という意味になります。
前半は否定の命令文で、“Don’t judge a book(とある本を判断してはいけない)”という意味,
後半は“by its cover”(その表紙によって)という意味です。Itsはitの所有格、この場合は「その本の」という意味、byは様々な意味をもつ前置詞ですがこの場合は基準を表しています。
“judge”(判断する、見極める、判定を下す)という単語が使われることで、比喩で終わらず、人や物事に対しての態度を問われる気がすることわざです。
ちなみに日本語でブックカバーといえば、本にプラスでかけるカバー(覆い)のことですが、英語のbook coverは本の表紙を指します。日本語でいうブックカバーは、そもそも英語圏ではペーパーバックの本が多くあまりポピュラーではありませんが、book jacket, book protector等いろいろな呼び名があります。
この場合のcover、表紙は、ブックカバーのように後付けされたものでなく、紛れもなく本の本体、一部ではあります。それでも、やはりそれだけで中身のよしあしや内容の判断はできず、ページを開き少しずつ読み進めていかないと本当の中身はわからないのですね。
by~は手段や理由、基準、等を表すビジネスシーンにおいてもよく使われる前置詞です。byを使ったビジネスでも使える表現を挙げておきます。ぜひ、音読やシャドーイング等のスピーキング学習で自分のものにして使ってみて下さい。
イギリスでいろいろな国の人たちと共同生活していたことがあるのですが、はじめこそ変に引け目を感じたり、イメージが先行したりしていましたが、様々なことを話していけばいくほど、国籍や肌の色、年齢等は全く意識せず、ひとりひとりの『その人』でしかなくなっていきました。ぜひ第一印象や肩書、ぱっと見、自身の持つイメージにとらわれずその人自身と関わり、知り合い、ビジネスをおもしろく進めていってください。
プレゼンやスピーチで使える!英語のことわざシリーズでは、ネイティブでも国や地域によって知らない人がいるようなマニアックなことわざではなく、誰でも知っている汎用性が高いことわざを紹介しています。また日本語でも同様のことわざがあったりするので、英語圏との文化の違いが見えて面白いですね。
ことわざは特殊な文法が使われていたり、簡略化されていたりするので、最初は馴染みがなく感じるかもしれません。繰り返し音読やシャドウイングで学習していくうちに自然に身についていきますので、楽しみながら続けましょう。