「グローバル人材AtoZ」 安達洋 × 福水ケビン 【特別対談】

2019/10/25 14:15

「グローバル人材AtoZ 」【特別対談】安達×福水【#01】

「グローバル人材AtoZ」 安達洋 × 福水ケビン 【特別対談】 #01

累計50万部突破!安達洋と福水ケビンの対談が実現。グローバルビジネスに必要な語学、コミュ二ケーション、人格、テクニック、ポイントなどの様々なトピックについて、入門者から上級者までを対象に縦横無尽に話していきます。

安達 洋

コロンビア大学修士。中央大学法学部法律学科卒業。海外留学経験0から外資系医療機器商社へ転職。プロダクトマネジャなどを務めた後、コロンビア大学大学院に進学し、修士課程(英語教授法)を修了。現在は東証一部上場企業をはじめとする多くの企業の研修プログラムの監修を実施。趣味は愛犬との散歩。

福水 ケビン

米国NY州立大学藝術学部卒。文部科学省、財団法人英語検定協会などの公的機関に、コンサルティング、講演・研究協力・プログラム提供。一部上場企業を含め200社以上に講演・セミナー。国際ビジネスコミュニケーション学会会員。在米13年。

「グローバル人材AtoZ」 安達洋 × 福水ケビン 【特別対談】

「10,000時間は大人にとって現実的な投資時間ではない」

安達:グローバル人材と言えば、まず英語は避けて通れない問題なので先にふれておきましょう。英語と日本語は言語的に表記方法、構造、発音に大きなギャップがあります。アメリカの重要な機関のエリートたちが、外国語習得にかかる時間を見たところ、ヨーロッパ言語は比較的短いんだけど、日本語は長かった。それは言語構造が違うから。彼らにとって10,000時間(1日9時間をおよそ3年間)も必要な言語なんだから、わたしたち日本人が英語を勉強するときも同じだろうと考えられています。

福水:だから10,000時間勉強しなさいっていう理屈なんですよね。

安達:英語力を1から10,000時間かけて習得するという前提で話が始まっているから、話がおかしなことになる。私は何のために英語使うのとか、どこがゴールなのって。おそらくほとんどの企業人にとって、ゴールは豊富な語彙でも、ネイティブに近いきれいな発音でもないわけです。商談なら商談で勝つことがゴールじゃないですか。そこがちゃんと明確であれば、TOEIC900点もいらないし、10,000時間もいらないし、もしかしたら習得方法もそのその業界に特化した商談向けのフレーズだけとか、かなり限定されるはずなんですよね。 そういったハウトゥーマネージとか、ハウトゥーサバイブとか、これ無いんですよね。正統派で10,000時間でゆるぎない英語力をものにしようという話になる。だけどまともに考えたら、1日9時間毎日やっても3年かかります。日本人と欧米人のベースのアウトプット力の差を考えるとおそらく10年でも足りない。

福水:英語は、本当は目の前の現実に対処できればいいだけのはずなんですよ。それが日本では努力すればいつか正しくて美しい英語が話せるようになるというキャンペーンが浸透してしまっていますね。日本のほとんどの企業にとってグローバル人材とか、ビジネス英語とか、それを言うことが大事になってるし、やることが大事になってしまっています。

「求められているビジネス英語は様々、目的やフォーカスを絞る」

安達:語学学習っていうのはそもそも、具体的な目的とか現実の自分の仕事とかと関連度が低いときは意味もなく終わることが多い。北米で重要な商談をしなければならない役員と、グループのタイ拠点で機材の使い方について意思疎通をとらなければならないエンジニアもいれば、東京オリンピックの時に道が教えられれば十分な交番のおまわりさんもいるでしょう。この3者ではまるで求められている英語力が違いますね。人によって、目的によって、フォーカスを絞らず、現実の目標が関連していない大人の語学学習っていうのは効率の面でもモチベーションの面でも不健康な気がします。
私は英語の本を読むときにものにもよりますが、20%くらいの単語は分からないんですよ。わかんなくても引かないんですね。何で引かないのっていうと、分かんない中でも読み解く力が大事だと言うのは教育者としての建前で、本当はどうせ忘れるからなんですよね(笑)例えば1ページ読んでその中にわからない単語が2つか3つあって、20個でもいいですよ。それ調べたところで大体忘れるんですよ。経験的に自分の切実な現実と関連してないものって人間すぐ忘れると知っているからです。

福水:私もアメリカに12年いましたが、わからない単語は未だに多くあります。ただ、調べないですね。その言葉の多くは自分の興味関心や現実の必要性から遠いところにあるように思います。
ビジネス英語の習得は特に、現実や自分の人生との関連性が高くないと難しいですよね。例えば具体的には来年からタイで機材指導をしなければならないとか、自分がAIに興味があるだとか、そういう現実的なアタッチメントが無いと学習対象や範囲が広くなりすぎちゃって、汎用的な英語を学習することになってしまう。じゃあネイティブから習いましょうとなって、1000時間費やしてみようとするわけですよね。本当は逆で、目的スペシフィックであればあるほど、体験的で身近であればあるほど、学習効率って高くなりますよね。

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