江戸時代から300年、変わらないこと【#01】
2019/08/23 12:30
2020/01/31 15:24
プレゼンやスピーチなどのビジネスシーンで英語を使う際、ユーモアやアナロジー(例え)は重要な部分です。論理的で堅いプレゼンテーションに少しことわざを交えることで、やわらかい表現になり、またデリバーするメッセージを相手の印象に残すこともできます。
英語学習者は、プレゼンやスピーチでどうしても文法や発音、そしてスピーキングなどに目がいきがちですがことわざを交えることでレベルを上げていきましょう。
Koji Masaoka
東京大学理工学部卒。卒業後は大手企業の北米拠点で活動。 情報応用学、統計学まで幅広いジャンルのグローバル業務経験をもつ。
趣味:散歩・テニス。
黙読するだけではいざというときにスピーキングで使えません。最低10回は音読、シャドウイングして、実際の会議などで使っているシーンをよくイメージして下さい。少しずつ定着していくことでしょう。本シリーズではプレゼンやスピーチなどのビジネスシーンで使えることわざ・慣用句を厳選して紹介してします。自分のお気に入りのフレーズを使ってみて下さい。
何かがたくさんあることは、時に確かに豊かです。でもそれは「常に」「絶対」ではないはずです。予算や限られる、人材が限られる、期間が限られる・・・そんな難しさを抱えるときこそ逆転の発想でぜひ使ってみたい言葉です。
もともとは、ドイツ出身の建築家ミース・ファン・デル・ローエが掲げた言葉であり『省略の美』を意図します。少なくする事で、かえって効果や質があがることがあることを指しており、情報やサービスや、デザイン、いろんなものを付加しすぎたり、何でもかんでもやろうと手を出しすぎたりするとき等、物事を削ぎ落していく方向に進めたいときにも使えますね。
英語で直訳すると「より少ないことはより多い」ですね。
Lessはsmall/littleの比較級、moreはmany/muchの比較級です。less, moreの後ろに具体的な言葉が入っていないため、いろいろな場面、状況に合わせて「少ない方がより伝わる」「少ないほうが豊かだ」などの意味をなせる言葉です。
正反対のものを対にもってくるフレーズなので、印象にも残りやすくメッセージ性が高い表現だとも言えます。
less、moreはビジネスでもいろいろなシーンで、いろいろな形で使われる単語です。シンプルな比較級として使うこともありますし、中には知っておくと便利な慣用句のようなものもあります。この2つの英単語を使ったビジネス表現を以下挙げてみますので、ぜひ、繰り返し音読して練習して使いこなしてみてください。
イギリスにいたころ、韓国人の友人と短い期間旅をしたのですが、旅の途中は財布とパスポートを盗まれ、私たちは限られた予算で生活していく必要がありました。ある日前日の残ったおかずを夕飯に…、と話していると、彼女は「ちょっと待って!」と楽しそうに、ゲストハウスにあった小麦粉と水と少しの塩を混ぜて捏ね、お鍋とお皿で蒸し器を作り出し、あっという間にdumpling(肉入り蒸しだんご)を仕上げました。その日の夕食は何だかとても満たされた気持ちになったことを覚えています。
ビジネスでもきっと同じです。あるもの、最低限のものがあれば、そして知恵と工夫と楽しむ心があれば、より豊かなものを創造することができるのです。
プレゼンやスピーチで使える!英語のことわざシリーズでは、ネイティブでも国や地域によって知らない人がいるようなマニアックなことわざではなく、誰でも知っている汎用性が高いことわざを紹介しています。また日本語でも同様のことわざがあったりするので、英語圏との文化の違いが見えて面白いですね。
ことわざは特殊な文法が使われていたり、簡略化されていたりするので、最初は馴染みがなく感じるかもしれません。繰り返し音読やシャドウイングで学習していくうちに自然に身についていきますので、楽しみながら続けましょう。