江戸時代から300年、変わらないこと【#01】
2019/08/23 12:30
2020/02/19 16:25
プレゼンやスピーチなどのビジネスシーンで英語を使う際、ユーモアやアナロジー(例え)は重要な部分です。論理的で堅いプレゼンテーションに少しことわざを交えることで、やわらかい表現になり、またデリバーするメッセージを相手の印象に残すこともできます。
英語学習者は、プレゼンやスピーチでどうしても文法や発音、そしてスピーキングなどに目がいきがちですがことわざを交えることでレベルを上げていきましょう。
Koji Masaoka
東京大学理工学部卒。卒業後は大手企業の北米拠点で活動。 情報応用学、統計学まで幅広いジャンルのグローバル業務経験をもつ。
趣味:散歩・テニス。
黙読するだけではいざというときにスピーキングで使えません。最低10回は音読、シャドウイングして、実際の会議などで使っているシーンをよくイメージして下さい。少しずつ定着していくことでしょう。本シリーズではプレゼンやスピーチなどのビジネスシーンで使えることわざ・慣用句を厳選して紹介してします。自分のお気に入りのフレーズを使ってみて下さい。
物事がうまくいかないとき、環境や状況・条件等、自分以外の他のものや人に原因を求めたり、文句をいってしまったりすることがありますよね。もちろんそうした外的要因を客観的にみることは時に大切ですが、そればかりで己の技術や在り方を問わないばかりでは一流にはなれません。
ビジネスにおいて自戒としてはもちろん、失敗に相手が言い訳ばかり重ねているときに少し皮肉めいた表現としても使えますし、状況への文句が多く士気がさがっているグループの士気を高める場面で使える言葉です。「あなたは言い訳ばかりだね」「文句ばっかりいってないで…」と相手の問題点を直接的に突く代わりに、広く一般的に言われることわざの力を借りてることで、相手の心にすっと入ることがあります。
直訳すると「下手な職人はいつも道具にケチをつける」という意味です。日本のことわざでいう「弘法筆を選ばず」を、逆方向からみた表現ですね。badの代わりにpoorを使うこともあります。日本語では弘法、英語ではworkmanに比喩が重ねられているのも、言葉の時代背景等が想像できて面白いですね。
blameは「~を非難する、咎める、~の責任にする」という意味をもつ動詞です。語感としてはまさに今回のことわざのように「~のせい」という気持ち・感情的な不満を基にした伴う単語です。
blameはビジネスシーンであまり頻繁に使いたくはないと感じる単語かもしれませんが、何かがうまくいかなかった際、自分のせいだと言及するときや誰かをかばう時にも使われる単語ですので、以下の例文を口に出して音読し、必要な場面でとっさに使ってみてくださいね。
イギリスで生活を始めたばかりのころ、なかなかコミュニケーションがとれない自分に、「あなり英語ができないからなぁ」と思っていたことがありますが、同じころに到着し私より英語が話せなかった他国の友人が、そんなことはお構いなしにどんどんとコミュニケーションの輪を広げ、あらゆる手段で自己表現し、それに伴い英語を上達させていくのを見て、「あぁ、英語が問題だったんじゃない。私自身に話したいことや相手への興味がなかった、私自身の問題だ。」と痛感したことがあります。ビジネス英語も仕事のツールです。ツールも大切ですが、道具にケチをつける前に、それを黙って少しずつ磨いたり、そもそもその使い手である自分の姿勢や在り方を問い直したりしていきたいものです。
プレゼンやスピーチで使える!英語のことわざシリーズでは、ネイティブでも国や地域によって知らない人がいるようなマニアックなことわざではなく、誰でも知っている汎用性が高いことわざを紹介しています。また日本語でも同様のことわざがあったりするので、英語圏との文化の違いが見えて面白いですね。
ことわざは特殊な文法が使われていたり、簡略化されていたりするので、最初は馴染みがなく感じるかもしれません。繰り返し音読やシャドウイングで学習していくうちに自然に身についていきますので、楽しみながら続けましょう。